会長コラム「水曜のつぶやき」第8回

 ~だいたい合ってるんだけど違う~

薬局で働いていると、
ときどき「惜しい!」と思う瞬間があります。

それは、薬の名前。

「オロタパジンありますか?」
「アムロピジン飲んどるんやけど…」

……だいたい合ってるんです。
でも、ちょっと違う。

もちろん、私たちにはちゃんと伝わっています。
「オロパタジンですね」と、心の中でそっと修正しています。

なぜか薬の名前は、少しだけ入れ替わったり、
似た形で覚えられていることが多いのです。

カタカナの薬の名前は、意味で覚えられないぶん、
音だけで記憶することになります。
そのため、どうしても少し入れ替わったり、
”惜しい名前”になりがちです。

そう考えると、市販の「ノドヌールスプレー」や「ガスピタン」などは、
名前だけでどんな薬か想像できる、なかなか秀逸なネーミングだなと思います。

実は私たち薬剤師も、苦労して覚えています。
薬学生の頃から、謎のカタカナのオンパレードを叩き込まれてきたので、
免疫があるといえばあるのですが……。

私なりにいろいろ工夫もしてきました。
今までで一番のヒットは、
「今日もコニーちゃん、紅美人」
(協和キリンのコニール、一般名ベニジピン)です。

市民の皆さんには少し不思議に聞こえるかもしれませんが、
薬局の方には「わかる!」と思っていただけるのではないでしょうか。

だから、少し違っていても大丈夫です。
むしろ「だいたい合ってる」ことがすごいのです。

今日も薬局では、
そんな”惜しい薬の名前”に出会いながら、
ちょっとだけ心が和みます。