~寄贈 ばあちゃん~
北海道で医学部に通う息子から連絡がありました。
「聴診器を買うから、お金ください。」
いよいよそんな時期かと思って話を聞くと、大学で聴診器の展示販売会があったそうです。
「ドクターX」の大門未知子モデルや、「東京MER」の喜多見先生モデルなど、
ドラマとのコラボモデルも並んでいたとか。
ところが、息子が憧れている「白い巨塔」の財前教授モデルはありませんでした。
「外科医だからかな。それとも古すぎるのかな。」
と少し残念そう。
その話を母(草刈り歴50年のあの人)にすると、
「その聴診器、ばあちゃんが買ったるわ。」
と即答。
私が、
「じゃあ、『寄贈 ばあちゃん』って刻印してもらったら?」
と言うと、
「それ、いいねえ。」
と笑っていました。
そして最後に、
「その聴診器で、ばあちゃんの最期をみとってね。」
と、さらっと一言。
孫が医者になるまでは死ねない、と日頃から豪語している母らしい言葉でした。
でも、その日が来るのは、できるだけ、できるだけ先であってほしいと願っています。
会長コラム「水曜のつぶやき」第21回
会長のつぶやきコラム